あなたの尿は大丈夫?
みなさま、こんにちは。
たかぎファミリークリニックの院長 石岡です。
突然ですが、皆さん尿検査はしていますか?
採血検査はよくすると思いますが内科に通院していても尿検査は数年受けていない。
という方いませんか?
もしくは『たんぱく尿あるけど、1+だしこれくらい大丈夫』と言われてたんぱく尿を放置していたりとか…。
そんな人は一度尿検査を受けてみましょう。
腎臓への理解がまったくない医師も僅かながらいます。
『これ以上悪化すれば透析になるよ』 と脅すだけで必要な指導をせずに薬だけ続けるとある医師
『ぼくが診た糖尿病の人は皆、透析になるんだよね』と言ってまともに診察できないのに診察を続けるとある医師
大多数の医師は適切な対応をしているはずです。 しかし上記のような適当極まりない医師がいるのもまた事実です。
一度、主治医に『私の尿はだいじょうぶですか?』と聞いてみましょう!
第50回 東北腎不全協会研究会学術集会 参加報告
スタッフと一緒に第50回 東北腎不全研究会に参加してきました。
当院看護師長 阿部より学会活動で得た見識についての報告をもらいました。
当院の理念を理解した大変良い報告だと思いますのでこの場を借りて皆さまに共有させていただきたいと思います。
私もスタッフの熱意に負けぬよう、当院が医療・介護をつなぐ架け橋になれるよう引き続き革新に努めてまいります。
第50回 東北腎不全協会研究会学術集会
出席レポート 阿部 美和子
『トランジション(移行、変化という意味)』
という言葉が今回の学会の中のシンポジウムで胸に刻まれました。
高齢化が進んでいくこの時代、当然透析患者の高齢化も目立っていますが、対応するための手立ては今までよりも多くの人手を要し、多くの他職種、他機関の協力が必要と実感しました。まずはいかに導入期での「丁寧な説明」ができるかで患者様とそのご家族が安心して透析ライフを過ごせるのかが決まる…未来は図れませんが、予測できる疾患や家族の背景、家庭環境は少なからずイメージできるものもあると思います。まずは透析の選択から広げる必要もあるのではと考えました。
ここまで考えることに至った経緯は
当クリニックでも認知症患者様が増え、老老介護から介護困難という大きな壁に当たっているケースや認知症状の悪化が進行した先に透析が今まで通りにできるのか、という不安点も見えてきたためです。
今回のシンポジウムでは上記のようなケースが事例で上がっていたことから、問題の解決策に繋がると感じました。
患者様の状態とその背景から透析自体のトランジション、居住地のトランジション、透析から看取りへのトランジション…
世界で高齢化が進んでいる今、こう言った変化はこれから多くなっていくのが事実で、これに柔軟に対応するために、患者様の環境でいちばん近くにいる私たち看護師始め、医療者達は専門外の知識が必要と改めて実感しています。他職種と他機関との連携によって透析ライフを改めて安全に送れることに繋がる…そのためにも専門外の知識とその職種の理解もあれば連携が柔和に行えるのではないかと考えます。
あらゆるトランジションの機会がありますが、未来を見据えた終活ライフの話し合いの場も必須のため、日々の状態を見ながら場を設けるきっかけを作ることも看護師にとって大きな務めであると実感しています。
『患者さんを第一に、笑顔のある透析室を』という地域密着型クリニックである当院の理念が、高齢化がすすむ透析時代に強く共感できているものであると感じました。より一層細やかな看護観察が求められている、より良い看護を提供し続けられるように励んでいきたいと思います。
つらい透析は昔の話:長時間透析で新しい人生を
人工透析はつらい治療と思っていませんか?
多くの方が透析治療について誤解されていることがあります。
「透析しているからで具合が悪い」といった、透析治療自体が非常に苦しいものであるという認識です。
透析に対する誤解
– 「透析で延命しても長く生きられない」
– 「透析の度にふらふらで苦しそう」
– 「透析しても、ちっとも具合が良くならない」
– 「透析になってから食欲がでなくてどんどん衰えていく」
– 「透析になってから体がかゆくて仕方ない」
このような話をよく聞くと思います。
元々は「腎不全だから体調が優れない」だったはずなのに、
「無理な除水や短時間の透析をしているから急激な変化で無理がたたって体がツラい」思いを繰り返しているうちに、
いつの間にか「透析しているせいで体がつらい」とすり替えてしまうのです。
いったんこう思ってしまうと、透析治療自体を苦痛に感じて気分が落ち込んでしまうようになります。
『透析時間の誤解』
ほとんどの方はこういった悩みがある場合、『1時間だけ透析時間を延ばすだけでも症状が改善します』
7-8時間の透析なら透析治療に必須の食事制限すらほとんど解消されてきます。
ですが、時間的拘束以外にノーリスクで症状改善できる・元気になれる手段があるのに、
ほとんどの方が透析時間を延ばすという選択肢すら知らない。
長くなれば楽になるという常識を知らない。
むしろ『今の3-4時間の透析でもツラいのにもっとツラい時間が長くなるなんて絶対に無理』という風に考えてしまうようです。
↑この考え自体が大きな間違いです。短い時間だからツラいんです。よほど腎臓の機能が残っている人でもない限り、3時間透析なんてツラいだけです。
長時間透析のすすめ
今、つらい思いをしている人にこそ長時間透析を受けていただきたいです。
私は「だまされたと思って1~2週間でいいからお試しで受けてみて」と説得して治療を受けてもらっています。
これまで、つらい思いをされてきた患者さんほど、「もう昔の4時間透析には戻れない・戻りたくない」とおっしゃいます。
中には1時間以上かけて他県から長時間透析を受けにきている方もいます。 それほどまでに透析後の体調が違うのです。
長時間透析を受けて、一緒に笑顔になりませんか?
透析患者さんも安心して楽しめる!特製串カツカレー
みなさん、こんにちは。当クリニック院長の石岡です。
今日は、栄養学を学んできた妻が透析患者さん向けに作った串カツカレーについてお話しします。
美味しさと健康の両立
「腎臓病食って美味しくないのでは?」そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そんなことはありません!先日、妻が透析患者さんに振る舞った串カツカレーが大好評でした。患者さんたちはもちろん、私や職員も「本当に塩分制限してるの?普通においしいね」と驚きの声を上げていました。
驚きの塩分控えめレシピ
通常のカツカレーは塩分やリン、カリウムが多く含まれるため、透析患者さんには注意が必要です。しかし、工夫次第で美味しく、かつ安全に楽しむことができるのです。驚きのポイント: 串カツに含まれる塩分はなんと豚肉由来の0.1gのみ!
おいしさの秘訣
大好評だった串カツカレー。妻に秘訣を聞いてみました。
– ご飯は炊きたてを提供
– 食感を大事にするため、野菜の切り方や煮込み時間を調整
– 冷凍食材は使用せず、全て手作り
– 串カツも作りたてを提供
– 目で見て楽しめる配慮(インパクトや食器など)
-香辛料を上手に使う
食事は生きる喜びの源
食事は単なる栄養補給ではありません。美味しい食事は生きていく意欲を生み出す源なのです。制限があっても、工夫次第で美味しく楽しい食事は可能です。この特製串カツカレーのレシピは院内に掲載しています。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
透析患者さんの食生活が、より豊かで健康的になりますように。
医療のお仕事体験inあやめ祭り
あやめ祭りにて、医療のお仕事体験(当院開催)が大盛況でした。
イベントを通じて、400組の方と私たちも楽しく過ごさせて頂きました。地域貢献に関わるものとして、初心に帰ることができ貴重な体験でした。
スタッフと共に計画を練り、また来年は更にパワーアップしたものにしていきたいと思います。
これからもたかぎファミリークリニックをよろしくお願いいたします。 院長 石岡 伸規
マッサージ器導入しました
透析患者さんとスタッフの為にマッサージ器を導入しました。
医療機関など向けにしか販売されておらず、一般の方は通常購入することができない高性能商品になります。
その分、お値段も張ります(定価217800円)が性能は折り紙付きです。
疲れた足腰に癒しをお届けします😊
日帰りシャント拡張手術
当院では局所麻酔下での日帰りシャント拡張術(VAIVT)を行っております。一般的には造影剤を使用したレントゲン透視装置を用いた(手術中に迫りくる、あの大きな機械です)シャント拡張が一般的ですが、当院では超音波検査装置(エコー)を用いて丁寧なシャント拡張術を行っております。エコーを使用したシャント拡張術のメリットとして、
- ①患者もスタッフも放射線被爆しない
- ②造影剤を使用しないので造影剤アレルギーの心配がない
- ③エコーを使って局所麻酔を病変周囲にしっかり行うことで痛みがかなり軽減できる
- ④リアルタイムで病変を観察しているので出血時もすぐに判明し対処可能
- ⑤造影の手間がないので短時間で終わる。早ければ30分前後
と良いことばかりです。デメリットとしてはあまりに石灰化が強いシャントには不向きなこと、CASと呼ばれるような中枢の病変(肩を超えた先の首よりの病変)には不向きなことくらいです。シャント狭窄は短い人であれば3か月に1回程度で再発し、狭窄が起こる限りはシャント拡張術を受け続けなければなりません。手術の度に一泊入院するのが嫌な方、少しでも拡張時の痛みを軽減したい方は当院での手術をご検討ください。(当院へ通院中でない方は通院先の主治医の先生の許可が必要ですのでご了承ください)ご質問がございましたら0182-23-6831までご連絡ください。
新しい送迎車両が仲間入り‼️
透析患者様へより快適な送迎環境を提供するために新しい車両を購入しました。
車椅子にも対応O K‼️
細い道もお任せください。乗り合いもなく快適に。
横手市全域、湯沢市全域どこへでも送迎に伺います。
介護施設への送迎も対応可能です。
介護経験のあるスタッフがお迎えに上がります。
ご質問などはクリニックまでお問い合わせください。
☎️0182−23−6831
がんの新しい検査方法 マイシグナル検査
皆さんが怖いと思う病気と聞いてピンと来るのはやはり『がん』でしょう。
生活習慣に気をつけていても、遺伝素因など避けられないと思うとこがあるからではないでしょうか?
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性で約65%、女性約51%(2019年データ)
一生のうちに2人に1人はがんになっている計算です。
そのうちの20%近くが、がんで亡くなっています
(国立がん研究センター がん統計より引用)
現在は手術・化学療法を中心として様々な治療が発達してきましたが、それでも進行がんの生存率は高くないのが現状です。
がんで死にたくなければ『早期発見・早期治療をする』ことに尽きます。
そうは言っても、がん検診を全てのがん種を2−3年に1回程度受け続けるのは中々、大変な作業です。しかし、この状況を解消できる手段が提供できる時代になって参りました。線虫検査やマイクロR N A検査といったワードをT Vなどで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
その中でも、当院では「miSignal(マイシグナル)」という検査を導入しております。
マイシグナルは、尿中マイクロR N AをA Iが解析し、7つのがん(肺、食道、胃、大腸、膵臓、乳房、卵巣)について、現時点でかかっている可能性を高確率で検出する検査です。 患者さんは問診票記入と尿を取っていただくだけで後は結果を待つだけというお手軽かつ痛みのない検査になります。
マイシグナルはstageⅠのがんでも高精度に検出可能な検査です。
名古屋大学のベンチャー企業が慶應義塾大学と連携し提供しています。全国約20の大学病院やがん研究センターが共同研究に参加している、信頼性の高い検査です。
よく知られている腫瘍マーカー検査は保険適応もあり外来でも簡単に行えますが、『腫瘍が増大した際に上昇する数値』なので早期がんの発見には向いてません。 症状がなければ保険適応にもなりませんので発見できる頃には進行がんという事態も多いです。腹部超音波検査やCT検査などの「画像診断」もがんを発見するための方法ですが、こちらも画像検査で判読可能な時点でそれなりに進行したがんである可能性が高くなってしまい、やはり早期がんの発見には向きません。
繰り返しにはなりますが、『早期発見・早期治療をする』のが何より大事です。
miSignalは、がん細胞が発するマイクロRNAを解析しているため、早期がんのうちに発見できる可能性があります。
『苦しい検査は嫌』といって内視鏡検査など受けてこなかった方にこそオススメします。手遅れになる前に一度、ご検討ください。
以下に、この検査の特徴をまとめてみます。
ご興味のある方は是非利用してみて下さい。
その頭痛、だんだん悪化していませんか?
最近、頭痛で受診される方の中で、薬剤過剰使用による頭痛(M O H:Medication Overuse Headache)の患者さんが大変多いなと感じます。
M O Hがおこる理由には諸説ありますが、簡単に言ってしまうと鎮痛薬(市販薬からトリプタン系のような処方薬まで全て)の常用的な使用により、より弱い刺激でも頭痛を感じるようになってしまい、かえって頭痛が悪化してしまう病気です。
知識がなければ、鎮痛薬を飲むことで痛みが悪化すると考えません(医療従事者でも知らない方がたくさんいます)
その為、つい鎮痛薬を使ってしまってしまう→悪化する→薬飲むという悪循環が起こります。治療には薬の中止、元となった頭痛への対処が必要です。ただ中止だけすると反動として出てくる頭痛が辛くて大変なので予防薬の併用なども行う必要が出てきます。
適切な対応が必要なため、一度悪化してしまうと自力で脱することは大変困難です。『月10日以上内服する』『痛くなる前に飲んでしまっている』こんな方は要注意です。
ひどくなってしまう前に早めに頭痛外来へとご相談ください。
頭痛外来はじめました
地域の方々の需要が多いため、頭痛外来をはじめました。
頭痛は非常に多くの方が悩んでいる症状ですが、横手では頭痛外来の数が少ない為、皆さんどこへ相談したら良いか分からず困っているというお話を聞きます。(過去に他院で治療歴のある方でも大丈夫です)
僕も片頭痛持ちですが、若い時はただ我慢していました。(実際、医療従事者に頭痛持ちは多いです)
『この程度で受診して良いのだろうか?』と思って受診を控えたり、ひたすら我慢していたり、市販薬でごまかしたりしていませんか?
このような症状がある方は悪化する前にぜひご相談を。
・片頭痛 (ズキズキとした痛み 雨の日や生理の時などに悪化する)
・緊張性頭痛 (頭が重い 締め付けられるような痛み 肩こりやめまいが出る)
・群発頭痛 (涙や鼻水を伴うような激しい頭痛)
・頭痛薬を毎月10日以上飲んでいて、どんどん酷くなってくる (薬物過剰使用による頭痛)
特に片頭痛は悪化すると仕事や学業など生活への影響も大きいです。ぜひ早めにご相談ください。
薬による急性腎障害 トリプルワーミー
『トリプルワーミー』って知ってますか?
これは、腎臓に3段パンチをくらわせる薬の組み合わせのことで、急性腎障害を引き起こします。
- ①RAS阻害薬 – 血圧の薬(A C E阻害薬やA R Bなど)
- ②利尿剤
- ③NSAIDs(ロキソニン・セレコックスなどの鎮痛剤)
それぞれダメージを与える方法が違い、一つずつでは大きな影響もないのですが、これら3つが組み合わさった時に協力プレーで、腎臓の血流を下げて急性腎障害を起こすのです。
高血圧や心臓の問題があると、内科でよく1と2を処方されますね。これらはちゃんと腎機能をチェックしながら使えばOKです。問題なのはこの状況に鎮痛薬が安易に追加され、トリプルワーミーが完成し急な腎障害が起こることがあることです。
よくあるパターンは、慢性腎臓病があって内科で1と2が処方されている状況で、その後整形外科でNSAIDsが出ること。患者が腎機能の自己申告をしなければ、鎮痛に効くから簡単に処方されてしまいます。経験ある人多いのでは?
湿布は内服より安全だけど、一部の吸収が速い湿布は内服と同じぐらいリスクがあるから気をつけましょう。
整形外科でビタミンD製剤もよく出ます。骨粗鬆症のお薬だけど、腎機能が悪いとカルシウムが上がりすぎちゃって高カルシウム血症による急性腎障害の危険があります。
急性腎障害は早めに発見できれば回復することも多いですが、遅れると透析が必要になるので気をつけましょう!
まとめ: 自分の腎機能と飲んでる薬・湿布薬を知っておこう。(特に高齢者や腎機能障害のある人)